新入社員(2)

3月 3rd, 2010

 ある統計では、会社が新入社員に求める最重要項目は「挨拶力」だと言う。以下、報告力や計算力、判断力や業務遂行力など様々あるが、トップに上がるのは「挨拶力」であると言う。上司、同僚、クライアント、業者…全ての人たちに対する「挨拶力」が重要視されている。この統計には、先輩社員の人たちや、人事担当者の人たちのコメントも掲載されていた。
人に会えば挨拶をする…至極当然のこととは言え、今その当たり前のことすら出来ない人たちが多く存在することは周知の事実である。大切に育てられ、一流大学を卒業し、資格を取り、知識の多さはいうまでもない彼らだが、人間関係の扉を意味する挨拶は出来ない。扉が開かなければ、前には進めない。

 挨拶力は、研修することか?私はそうは思わない。心ある人ならば皆そう思うに違いない。云わば、躾(しつけ)の範囲内であると思う。そこに踏み込まなければならない担当者の苦労もさることながら、挨拶力を問題視されている人たちには気付いて欲しい。挨拶とは、教えられることではなく、常識のある人たちが自発的に行動することである。

 挨拶力とは、言ってみればコミュニケーション力である。人と人との触れ合いからなる社会生活において、必要不可欠なコミュニケーション能力…、更に云えば、常識力以外のなんでもないと思う。いまその常識の無さが最大の課題とされている。

新入社員(3)へつづく・・・

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新入社員(3)

3月 2nd, 2010

 常識を身につける。これこそが今最も大切な唯一無比な事柄であるかもしれない。私自身は、全ての社会生活は、常識の上に成り立つものであると信じている。その常識力のレベルの高さが、人のレベルの高さだと思っている。「自分の常識は他人から見れば非常識」などと嘯いている人を時折見るが、少なくとも、会社内では許されない。だとすれば、それを絶対的に改善するのは、またまた人間としての常識といえるのではないか?そう感じている。

 挨拶力だとか常識力だとかを題材にした書籍も多い昨今、そんなことまで…とお嘆きの諸兄も多いとは思うが、これが今の日本の常識力であることを認識した上で、これからの社会人育成を考えなければならない。
個人的には、社会の縮図であるべき学校や家庭での、所謂「躾」が最も重要であると思うが、出来ていないのなら仕方が無い。出来ない層で会社の将来の成長を伺うのであれば、まずは、挨拶力、常識力を高めるための作業を付加し、そのうえで彼らの潜在的な能力を顕在化する必要がある。と思う。

 反面、新人は先輩の背中を見て動き、背中を見て成長するとも云われる。人の成長が、人への憧れから始まり、人の真似から始まるとするならば、今、攻めるべきは誰でもなく、社会人の先輩である私たち自身がその力を習得し高め、それにて一件落着としなければならないのかも知れない。
いずれにしても、人を指導したり教育する前に、まずは自分自身を振り返り、新人といわれる人たちに「ああはなりたくない…。」といわれることの無い様、日々努力する…と、決意新たに年度初めを思いたい。

井若 浩

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新入社員(1)

3月 1st, 2010

 この季節は、どの会社も採用した新入社員の対応に追われている。街には、お昼時ともなると、学生半分社会人半分の初々しい人たちが溢れている。活気に溢れている彼らを見ると、こちらも多少ワクワク感がある。会社にとっても、初々しい彼らが入社してくることで、良い意味での緊張感が生まれるはずである。
夢と希望に溢れた新しい息吹を持つ新入社員と、仕事上で立場を確立しようとする先輩社員のモチベーション…そういう相乗効果も期待できる。

 先日、ある人事部の部長と話した。「三ヶ月経てば、使える人間と使えない人間と区別できるようになる。更に、期待をもてるかどうかは、大体1~2週間もあれば…。」と話していた。スタートラインは同じでも、たった1週間で判断の兆しがあり、3ヶ月で会社にとって、重要人材かそうでないかが決まると言うことだ。これは、私の経験を以ってしてもその通りだと思う。
では、期待できる新人と期待できない新人の違いは何か?何を以ってして評価が決まるのか?新人も、新人を育成する立場の人も知っておきたいことである。

新入社員(2)へつづく・・・

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