不景気時には(2)
3月 12th, 2010
最近、弊社への問い合わせが増えている。ほとんどが、マナー講習や基本動作についての研修の依頼である。私なりの数少ない経験からで恐縮ではあるが、不景気感が強くなるほどお客さま重視の考え方に戻り、顧客の囲い込みの重要性を噛み締めて、「いざ、顧客満足度!!」的な動きが多くなるのではないかと思っている。
それに伴い営業方法もまた形を変えている。昔から営業スタイルは、
御用聞き営業
カタログ営業(説明、取説営業)
提案営業
課題解決型営業
数を上げればきりが無いが、等しく言えるのは、御用聞き営業は古く効率も悪く時代に合わない。言ってみれば「ダメ営業」の典型とされてきた。が、今一部ではその営業手法に戻っている会社も多い。お客様の元に足を運び、十分なコミュニケーションを図り、かゆいところに手が届くくらいのフォローの中から、新たなお金が生まれる、といった感じだろうか。
どれをとっても悪いとは思わない。思わないが、この時期だから殊更にお客様主義になるところに少し疑問を感じる。全てのビジネスは、誰かからお金をいただくことで成り立っている。その相手のためにという心無くしてビジネスは成り立たない。
顧客満足は商品ではない。顧客満足は、未来永劫継続発展していくための基礎である。いわば、イズム・文化に相当するものであると思う。お客様主義、お客様だけという考え方は、テキストを前に覚えることでも、新商品の説明を覚えることでもなく、日々の息遣いの中から育まれ成長していくものであると思う。
室町時代から、「商いとは、心の美しさを表現するものである」と言われている。今、それに気付き対応することが悪いわけでは勿論無い。しかしながら良い事でもないと思う。つまり、当たり前のことだと常々認識があれば、再確認することで、今を乗り切る顧客主義の方法は、ブラッシュアップされ成長していくものだと思う。
私は、色んな講演やセミナー活動の中で、殊更に顧客満足を謳うのはあまり好きではない。私の中には、その考え方はあって当たり前、今からその重要性を学ぼうとするなら、商売はしたらアカンよ!という思いがあるからである。
いずれにしても、この不況を乗り越える大きな鍵の一つに、全てのお客様に満足頂き、納得頂くことが必要であることは間違いないと思います。最終形は感動の先にある紹介でしょうか。
これを機に、更にレベルアップを図るなり、新しい概念を築くなり、様々ではあると思いますが、強い体質を実現することが肝要だと思っています。
私事ですが、私自身も今一度クライアント様に、尚一層喜んでいただけるよう、邁進する所存です。
「人は、人から幸せをもらい、人に幸せをもたらす」
井若 浩
カテゴリー: 人事・組織・育成・採用